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シン・エヴァンゲリオン劇場版

通販する時に間違えてアマプラ無料体験に加入してしまったので、シンエヴァを見てみた。
加入させる時は確認くらい挟もうぜアマゾン。

新劇場版のエヴァは基本テレビ放映で見ていて
Qに関しては、それこそシンエヴァ直前の放送まで全く見てなかった。
なので自分は結果的にそれほど間をおかずにシンエヴァ見てると思うんだけど
劇場で追いかけてた人はQから9年がかりで、ようやくシンエヴァ見れるようなスケジュールだったんだなぁ。

個人的にQのラストからなだれ込むようにシンエヴァを見れるのが、新劇場版視聴の最適解かなって印象。
もちろん、時間をかけたからこそのクオリティーという面もあるんだろうけど
シナリオだけを見るなら、あまり間をあけない方が良かった気がする。

Qとシンエヴァって結構前後編っぽいというか、片方だけだとなんとなくしっくりこない印象がある。
Qを踏まえなければシンエヴァの「落とし前」が付かないのと同時に
Q自身もシンエヴァがないとバッドエンドで放り投げたようにしか見えない。
Q見た時点で、この続きどうやって作るんだろうって思うくらいの状況だったし
旧劇場版を思い出すような鬱々とした終わり方だったから
Qを見た直後には、また放り投げるのかなって印象は正直ありました。
だからこそ、Qから速やかにシンエヴァへ繋げられなかったのは
シリーズ全体にとっては大きな損失だったかなぁと。
シンエヴァ自体は完結編として、よく出来てたと思うだけに
Qとシンエヴァの間に振り落とされた人も多かったであろう事を考えると、結構惜しかったのかなと。

 

それはそうと本編の感想です。
簡単な今までのあらすじからのスタート。
映画だから上下が切れるのはわかるとして、左右も切れてたので
額縁とはやってくれたなAmazonとワナワナしたけれど
実際にはQの振り返りあたりから左右の幅も普通になったので、序と破はそういう比率だったのかと一瞬で納得。
ごめんねAmazon、無料体験一発加入は許さないけど。

振り返りが終わると、次は戦闘シーンから。
Qの続きとは思えないほどテンポよく話は進んで行きます。
エヴァや戦艦を上から糸で吊り下げての戦闘は、昔の特撮の操演のようでなんか楽しい。
上部に糸がちらちら見えるのが雰囲気出てて良いですね。

マリはやっぱりやけに強い。
そしてこの冒頭シーンの8号機のギミックは自分は初めてみた類のもので
これよく思い付いたなぁと。
別作品ではネタにされてた操縦方法も、この仕組みならなんとなく説得力ありますね。

そしてヴィレ側の話が落ち着くと、次は第3村。
以前見たプロフェッショナルで撮影シーンが出てて
なぜこんなシーンを・・・と思ってたけど、これはここかと納得。
こちらはシンジ、アスカ、レイの三人を軸に話が進むので
Qから直接繋がっているだけにやや鬱々とした展開が目立ちます。
ただ、その横で一人レイだけがポジティブに世界を捉えて前に進んで行く。
彼女の成長が今後の鍵になるのは初見でも予想できるので
彼女の横で展開される話は多少ストレスフルでも見ていられます。
今後のポジティブな伏線をチラ見せしながら
ネガティブな話を進めていくというのは
結構なバランス感覚なんじゃないかなって勝手に思ってみたり。

アスカはとある事情で、姿を直視させるとシンジを苦しめることになるんですが
自分の姿をあまり見せないようにしながらもシンジに目を配りつつ
どうしてもシンジが危ないという時には、一時的に苦しめる事になろうとも
シンジの前に出てきて、無理矢理にもどうにかしてくれる。
口調は厳しいし、単純には感情をぶつけてるだけに見えるけど
よくよく見るとシンジを守るために動いてる事がわかる。

その後紆余曲折、ひと悶着あってラストへなだれ込むわけですが
意外とシンエヴァ公開前の予想はかなりの精度で当たってるかなって印象はあります。
解決した部分に関しては予想から大きく外れてはいない。
考察してる人達すごい。

そういった解決した部分は置いといて、解決していない部分もかなり多いです。
それは過去からの伏線だけではなく、シンエヴァで突然出てきた言葉も含めて。
そういう意味では設定を重視すると未完となるんじゃないかと思います。

ただ、そういう点を踏まえた上でも完結編としてよくできてたと思うのは
シナリオ的にすっきり終わってたからじゃないでしょうか。

シンエヴァの終盤はまさにシンジが落とし前を付けていく話です。
自分自身が、そして父が迷惑をかけた人々に丁寧に落とし前をつけていく。
その多くは視聴者の予想を大きく裏切るものではなく
むしろずっと前から視聴者に期待されていた話。
誰もがこれをすればエヴァは丸く収まるのにと思っていた話を
公式として丁寧に描いています。

昔から想像していた展開だけに、そこにはなんの新鮮味もありませんが
逆に想像していた通りの展開だからこそ、しゃーないなと視聴者に納得させる力がある。
最後の最後で、スタッフは新しい事をするよりも堅実で誠意を見せるような展開を選んだなと。

視聴者としても想像通りで面白味は全くない展開ですが、昔から想像していた内容だけに受け入れるしかない。
着地点としては最も穏便なところを選んだなっていう印象が非常に強かったです。

また、ストーリーではなくキャラクター関連に関しても
かなり人気を集め、また議論を生んでいたのがエヴァという作品ですが
こちらにも一応の落とし前はつけたのかなと。
例えば二分するようなキャラ人気に対し、もし片方を贔屓した内容にしてしまったら
おそらくここまでは落ち着いた終わり方にならなかったのかなと。
本作のラストは賛否を巻き起こす内容でしたが
落ち着いて考えると、触れたら墜落っていう要素を避けるために
多少のダメージを受けながらも胴体着陸したというか。
あれはあれで、ある種のダメージコントロールになってたのかなと思います。

設定に関しては色々な部分をぶん投げているけれど、迷惑をかけたキャラクター個人に対する落とし前はきちんと付けているかな。
主要キャラの人間関係はこれで解決、もう次の展開は無いと思わせる状況を作っている。
過去方向にはいくらでも話を膨らませられるけど
未来方向への伸びしろはほぼ無くなってしまったのは明白で
だからこそみんな、「終わり」としてなんとなく納得してるのかなって気がしています。

 

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