ブログのほう

ゆるゆると思ったことを書く

銀河機攻隊マジェスティックプリンス 第4話「喪失」

予想に反し、補給艦ではなく先鋭部隊に奇襲を仕掛けてしまったチームラビッツ。
だが、作戦の指揮を任されたコミネ大佐は変更を許さずそのまま作戦を強行。
そのため、タマキのローズ3への集中砲火を切っ掛けにフォーメーションは崩れ、作戦の失敗は明らかだった。
しかし、コミネは作戦続行を頑として譲らず、状況は悪化していく。
スズカゼが強引に下した退却命令も時すでに遅く、ケイのパープル2が次の標的になってしまう。
バンダイチャンネル「銀河機攻隊マジェスティックプリンス #004」より

ということで、前回はコミネ参謀次長の指示で突っ込んだタマキが被弾するところで次回に続くだったので
今回はその続きからスタートとなります。

とはいえ冒頭はスズカゼの回想から始まる。
スズカゼがどうして教官になったのか、そしてその心境が語られます。
心境についてはそれまでの話でも垣間見えていましたが
ここへきて本人の口からはっきりと語られる事になりました。
「遺伝子操作された子供達を鍛え上げて前線に送り込む仕事」と落ち込んでいます。
想像してみると、品種改良された家畜を上質に育てて工場に出荷するような感覚なのかな。
牛や豚といった産業動物ならともかく、同じ人間相手にそれをやるとなるとたしかに気が滅入りますね。
この辺に強い抵抗を感じているあたり、やはり他の割り切っている上官や、本当に家畜程度にしか思ってない上官と比べると
かなり人間性の強いキャラクターなのだと思います。
ここではスズカゼが全滅した部隊からの唯一の生き残りである事も語られ
その生き残りの術を伝えるという形で落着。
家畜のように確実に殺されるわけじゃなく、絶望的とはいえ生き残ろうと思えば生き残れる環境ではある。
だからこそ、「死なせない」という意思に意味があるってことですかね。
これがおそらく現在のスズカゼの立ち回りのベースになってるんだと思います。
また、この直後にはチームラビッツの強みと弱みについても語られる。
これは成長物語としての課題を明らかにするとともに、短期間で戦果をあげられる理由付けにもなっていくんでしょうね。

 

そして、前回からの続きのシーンに戻り
敵の真ん前で被弾し動けなくなったタマキ。
普段は落ち着いているケイやスルガにも焦りが見え、チームは崩壊寸前に。
指揮系統の判断ミスから現場は総崩れで、普通であればそのまま全滅コースです。

そんな中、イズルの行動はまさにヒーローのそれ。
レッドファイブのシールドをタマキに使い、自身は前に出て応戦する。
ケイに対しても盾になる。
たしかに味方を立て直す柱として十分にリーダーの役目を果たしていますが
その行動には常に自己犠牲が伴っていて、そこに危うさを感じる気もしますね。
過去の話でも身を挺してヒロインを守るヒーローが描かれていますし
イズルのヒーロー像がそっちに寄っているのかもしれない。

このヒーロー像の危うさは、直後にそのまま描写されます。
周りに少なからず動揺を与えるんですよね。
本人はおそらく、ただ必死なだけなんですけども
周りだってイズルに死んでほしくない。
それが被害を拡大させる事になるし、拡大させないための決断を強いる事にもなる。
たぶんその場その場で精一杯で、そういうとこまではまだ見えてないんでしょうね。

とまあ、この第4話に関しては戦闘での大ピンチを描く話ではあるんですが
冒頭にスズカゼの回想が存在していて、ラストにもスズカゼに関するエピソードが描かれます。
スズカゼのプライベートを描くエピソードに挟みこまれる形で戦闘シーンが存在しているので
メインに描きたかったのはスズカゼの苦悩なんでしょうね。
実質リンリン回。
実際、上官の命令との板挟みになる彼女の姿も描写されています。
今までは軍人としてのスズカゼばかり描かれていましたが
ここへきてプライベートでの本音を見せてくれて、いかにもな人間らしさを感じられるのがいいですね。
冒頭の回想を受けての、この話の最後に出てくる彼女のセリフには非常に力を感じられます。

というところで第4話の回想終わり。
普通なら強い女性、完璧超人に描かれがちな立場だけど
スズカゼの弱い部分もあえて見せてくれるのは良いと思う。
裏ではそこまで強い人間ではないのに
弱さを人前で見せず、強い女性として振舞えるのが彼女の強さなのかな。

 

銀河機攻隊マジェスティックプリンス 第3話「奇襲」 - ブログのほう

 

銀河機攻隊マジェスティックプリンス 第5話「小惑星基地潜入作戦」 - ブログのほう